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社会保険ワンポイントアドバイス

(株) ビー・ブレーン提携 社会保険労務士 二村 恭世先生による社会保険のよくわかるワンポイントアドバイスです。人事、総務でお悩みの方。是非読んでみて下さい。


2019年11月 愛知県の最低賃金10月より「926円」
2019年10月 パワハラの判断基準
2019年9月 部下に注意や指導をしたら「パワハラ」???
2019年8月 外国人材の受入れ(技能実習と特定技能)
2019年7月 正社員とパート社員の不合理な待遇差禁止
2019年6月 外国人労働者の生活支援
2019年5月 年5日以上年次有給休暇について2
2019年4月 外国人労働者が脱退一時金を受給する際の留意点
2019年3月 年5日以上年次有給休暇の取得について 「よくある質問」
2019年2月 年休付与義務と年休管理簿の作成保存義務
2019年1月 管理職も労働時間管理が必要!
2018年12月 両立支援等助成金について
2018年11月 年次有給休暇の時季指定義務 ~年に5日必ず取得~
2018年10月 「帰宅にあたっての雑居ビル内での負傷」と「経路逸脱を予定して会社を出た場合の通常経路上の負傷」について
2018年9月 働き方改革関連法はいつから影響しますか?
2018年8月 雇用保険 育児休業給付の支給申請手続(入社後間もなく妊娠したケース)
2018年7月 外国人技能実習生の受け入れについて
2018年6月 同月得喪の社会保険料について
2018年5月 マイナンバーの取扱いによる雇用保険・社会保険の変更
2018年4月 副業の容認と企業の安全配慮義務
2018年3月 新入社員がスグに辞める理由
2018年2月 事業場内のインフルエンザ対策
2018年1月 同一労働同一賃金の時代がやってくる⑤
2017年12月 キャリアップ助成金(正社員化コース)
2017年11月 同一労働同一賃金の時代がやってくる④
2017年10月 「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」の判断方法
2017年9月 同一労働同一賃金がやってくる③

愛知県の最低賃金10月より「926円」

Q   10月1日より最低賃金が愛知県は「926円」に上がると聞きました。最低賃金額以上かどうかをどのように確認したら良いでしょうか。また、最低賃金額はどの程度まで上がるのでしょうか。

A   具体例をあげてお知らせいたします。

【最低賃金の計算方法】 (精皆勤手当、家族手当、通勤手当、時間外手当等は、含まれません。)
1.時間給の場合    時間給 ≧ 最低賃金額 (時間額)
2.日給の場合    日給÷1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金額 (時間額)
3.月給の場合    月給÷1ヵ月平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額 (時間額)

 例えば、次のような場合は最低賃金額には、達していません。年間休日105日、1日8時間とすると、会社の1か月の所定労働時間は、173.33時間(365日-105日=260日。260日×8時間÷12ヵ月=173.33)

基本給160,000
皆勤手当10,000
家族手当20,000
定額残業手当
(20時間相当)
24,800
通勤手当4,200
総支給額219,000

① 皆勤手当、家族手当、通勤手当は含んで計算しません。

② 定額残業手当は、時間外手当に該当するので、含んで計算しません。

③ 160,000[基本給]÷173.33=923円 < 926円
 月給16万円でも最低賃金を下回ります。
※年間休日106日の場合は最低賃金以上
 160,000[基本給]÷172.66=926.6円 > 926円
 (365日-106日=259日。259日×8時間÷12ヵ月=172.66)


 時間給の場合は、わかりやすく確認できますが、月給の場合は最低賃金の算定に含まれない手当がありますので注意が必要です。また、基本給16万円を支払っていても年間休日106日では最低賃金を下回り、106日だと上回ります。毎月21万9千円支払っていても最低賃金額を下回る場合もあります。月給の場合は、最低賃金の算定に含まれない手当に注意して月の所定労働時間でチェックしましょう。
 国の方針としては全国加重平均で1,000円を目指しています。東京[1,013円] と神奈川[ 1,011円] は遂に1,000円を超えて、全国加重平均額は901円となりました。あと100円程度は上がると思われます。

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パワハラの判断基準

Q   現場ではパワハラか否かの判断が難しく、苦労させられています。今回の通常国会でパワハラ防止のための規制法が成立したと聞きましたが、その法律ではパワハラはどのような基準で判断することになっているのですか?

A   「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(以下、「労働施策総合推進法」という)が改正され、パワハラ防止措置を義務付ける規定が設けられました。パワハラの要素としては、①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、③それにより雇用する労働者の就業環境が害されること、とされています。

  1. パワハラ規制法が成立
    今回の法改正は、雇用管理をする上で必要な措置を使用者に義務付ける内容となっており、大企業は令和2年4月から、中小企業は令和4年4月から施行される見通しとなっています。
    しかし、パワハラの定義については、判断が難しいことから、具体的な事例や判断基準については、今度の厚生労働省の審議会及び衆参両議院において決議がされていくこととなります。
  2. 要点をめぐる論点
    改正法により、企業には、パワハラが起きないように、起きた場合には適切に対処するための措置が義務付けられます。そこで、これまで厚生労働省の職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会で出されていた意見等を参考に、現場でのパワハラ判断の主なポイントについて考えてみましょう。
    (1)「優越的な関係」とは
    優越的な関係というのは、基本的には「上司と部下」などの上下関係になります。しかし、パワハラは、そうした関係に限らず、経験や技術等による能力差など実質的な力関係が生じているケースも含まれるとされています。具体的には、「同僚又は部下による行為で、その行為を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの」や「同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが難しいもの」が挙げられています。
    (2)「業務上必要かつ相当な範囲」とは
    この点が、現場でパワハラを判断する際の一番難しいところです。同じ言動でも具体的な状況によって異なってくることから、社会通念に照らし、その行為が明らかに業務上の必要性がない、またはその態様が相当でないものとしています。具体的には、①業務上明らかに必要性のない行為、②業務の目的を大きく逸脱した行為、③業務を遂行するための手段として不適当な行為、④当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らし許容される範囲を超える行為、などが挙げられています。
    (3)「就業環境が害される」とは
    指針において示すべき事項として、「就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)」の考え方は、「平均的な労働者の感じ方」を基準とする案が示されています。

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部下に注意や指導をしたら「パワハラ」???

Q   顧客先での部下の対応に不備があったため、後日会社で注意と指導をしたところ「パワハラ」だと大騒ぎされました。注意や指導が「パワハラ」にあたりますか。そもそも「パワハラ」とは何ですか?

A   「パワハラ」とは、同じ職場で働く者に対して職務上の地位や人間関係などの「職場内の優位性(※1)」を背景に、「業務の適正な範囲(※2)」を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為を言います。適正な注意や指導は「パワハラ」ではありません。

※1
職場内の優位性
パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせをさして使われる場合が多いが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあります。「職場内での優位性」には、「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識、経験などの様々な優位性が含まれます。
※2
業務の適正な範囲
業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たりません。例えば、上司は自らの職位・職能に応じて権限を発揮し、業務上の指導監督や教育指導を行い、上司としての役割を遂行することが求められます。職場のパワーハラスメント対策は、そのような上司の適正な指導を妨げるものではありません。

「パワハラ」とは次の行為(例)です。「おまえら、テープ回してないやろな」は②精神的な攻撃です。

行為類型具体例
①身体的な攻撃蹴ったり、殴ったり、体に危害を加える。丸めたポスターで頭を叩く。
②精神的な攻撃侮辱、暴言、恫喝など精神的な攻撃を加える。同僚の目の前で叱責。他の社員を宛先に含めてメールで罵倒。必要以上に長時間にわたり、繰り返し執拗に叱る。
③人間関係からの切り離し仲間外れや無視など個人を疎外する。必要な資料が配布されない、話しかけても無視される状態が続く。 ※先輩社員や専門的な社員も優位性により該当注意
④過大な要求遂行不可能な業務を押し付ける。一晩では処理しきれない量の業務を命じる。
⑤過小な要求本来の仕事を取り上げる。営業職に草むしりのみなど。
⑥個の侵害優位性を利用してプライバシー侵害。携帯電話やロッカーなどの私物を覗き見る。

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外国人材の受入れ(技能実習と特定技能)

Q   外国人材の受入れを検討しています。よく話題になるのが「技能実習制度」と「特定技能制度」ですが、これらはどのような部分が異なるのでしょうか?

A   技能実習と特定技能では制度の目的が異なります。まずは制度の目的を認識したうえで、それぞれの対象職種を確認し、受入れのイメージを掴んでください。

  1. 技能実習制度の目的
    技能実習制度と特定技能の制度や取扱業種は似ている部分もあるため。「技能実習と特定技能のどちらで受け入れようか」と悩む企業の声も聞かれます。しかし、まず認識しないといけないのは、技能実習制度の目的は『技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力する』ことであるという点です。よって、人手不足の対応策として技能実習生を受け入れることは、制度の趣旨に反することになります。
    そのため、技能実習制度では、実習生による「日本の技術」、「日本の働き方」の習得が重要であるため、数年で帰国するからといって、専ら補助的な業務に従事させるのはよくありません。技能実習生が本国に帰国した後、技能を活かした仕事に就けることを見据えた指導が必要になります。
  2. 技能実習制度と特定技能の対象職種
    ① 技能実習制度
    技能実習1号から2号へ移行できる対象職種として、農業・漁業・建設・食品製造・繊維衣服関係・機械金属関係・その他の80職種144作業があります(令和元年5月28日時点)。技能実習1号のみで修了する場合は、技能実習計画の認定を得られれば、対象職種以外も可能です。
    ② 特定技能
    介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の14分野が対象になります(特定技能2号では、建設、造船、舶用工業のみ)。
  3. 受入れ方法
    ① 技能実習制度
    受入れ方法として、圧倒的に多いのが団体監理型です(全体の96.6%)。団体監理型の技能実習では、監理団体経由で求人募集をします。採用については、企業が現地を訪問して面接し選考を行うのが理想ですが、監理団体への依頼も可能です。
    ② 特定技能
    ハローワークや人材紹介会社の利用も可能です(有料職業紹介では建設業など取扱いできない業務もあります)。なお、特定技能では直接雇用が原則となるため、人材派遣会社の利用はできません(農業と漁業は可能)。
    職業紹介事業について厚生労働大臣の許可を得ていれば、技能実習の監理団体等が職業紹介をすることも可能です。技能実習2号を良好に修了して帰国した元実習生が再来日し、特定技能の在留資格で就労することも可能です。
  4. 制度についての情報収集
    技能実習と特定技能の制度は目的自体が異なりますが、作成書類や制度の運用など共通点が多くあります。特定技能で外国人を受け入れる場合であっても、技能実習制度について知っておくと役立つことは多いでしょう。セミナーや書籍で知識を得る方法もありますが、政府のホームページで公開されている「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(法務省)、「技能実習制度運用要領」(厚生労働省)の熟読も効果があります。

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正社員とパート社員の不合理な待遇差禁止

Q   今年からパート社員の年次有給休暇の付与についての対応も大変なのに、次は、「パートタイム・有期雇用労働法」の改正により、企業内における正社員とパート社員等の非正規社員の間の不合理な待遇の格差をなくさないといけないと聞きました。どのような内容でしょうか。また、いつから対応しなければならないでしょうか?

A   「パートタイム・有期雇用労働法」が2020年4月1日から施行されます。ただし、中小企業への適用は2021年4月1日からです。今から準備が必要です。主な内容は次の通りです。

1. 不合理な待遇差の禁止
同一企業内において、正社員とパート社員等の非正規社員の間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

例えば、正社員の基本給については、「①能力又は経験に応じて」「②業績又は成果に応じて」「③勤続年数に応じて」支給するとされている場合が多く、その場合①②③に応じた部分について、同一であれば同一の支給が求められ、一定の違いがあった場合には、その相違に応じた支給が求められます。

*特に通勤手当は、正社員と同一の支給をしなければならないとガイドラインには示されています。正社員には支給しているが、パート社員等はないという会社は多々あるように感じます。また、家族手当・住宅手当等はガイドラインに示されていませんが、均衡・均等処遇の対象になっています。

2. パート社員等に対する待遇に関する説明義務の強化
パート社員等は、「正社員との待遇差の内容や理由」などについて、会社に説明を求めることができるようになります。また、会社は求めがあった場合は説明しなければなりません。

例えば、正社員とパート社員等の賃金決定基準・ルールに違いがあるときは、「将来の役割期待が異なるため」という主観的・抽象的説明では足りません。
賃金の決定基準・ルールの違いについて①職務内容(業務の内容+責任の程度)、②職務内容・配置の変更の範囲、③その他の事情等を説明する必要があります。

*説明ができるように制度の整備や変更についての検討を始めることが必要となってきます。

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外国人労働者の生活支援

Q   初めて外国人労働者の受入れをするにあたり、企業としての生活支援は何をすればよいでしょうか。

A   特定技能1号の外国人の生活支援に関しては、法務省の「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」に従います。この内容は、特定技能1号以外にも参考になるため、受け入れる外国人労働者の日本での生活経験に応じて補完や省略などの調整をするとよいでしょう。

1 特定技能1号での生活支援
2019年4月から創設された「特定技能1号」の在留資格の外国人への生活支援については、法務省のHPでガイドラインが出ています。
→「1号特定技能外国人支援に関する運搬要領-1号特定技能外国人支援計画の基準について」(平成31年3月法務省)
http://www.moj.go.jp/content/001289243.pdf

①事前ガイダンスの提供、②出入国時の送迎、③住居の確保に係る支援、④金融機関・携帯電話・ライフライン等生活に必要な契約の支援、⑤生活オリエンテーションの実施、⑥日本語学習の機会の提供、⑦相談・苦情対応、⑧日本人との交流促進に係る支援、⑨本人の責めによらない事由による特定技能雇用契約解除の場合の転職支援など

 このうち⑤の生活オリエンテーションの実施では、外国人労働者に対して、

金融機関や医療機関の利用方法、交通ルール、交通機関の利用方法、生活ルール・マナー、生活必需品の購入方法、災害情報の入手方法、日本で法令違反行為となるものの例、防犯および緊急時対応に必要な事項、入管法令や労働関係法令など

に関する情報提供が求められています。

2 支援策の例
● 医療機関の利用
 経済産業省の「内なる国際化研究会」報告書(平成28年3月)によると、病院や役所の表示が全部日本語なので、外国人にとっては不便だという意見が挙げられています。
 行政情報の多言語化については、自治体での対応は比較的進んでいますが、医療機関情報については未整備のところも多く、企業側での積極的なサポートが必要と思われます。
 言葉の問題だけではなく、医療機関で診察を受けると高額な医療費を請求されると思っている外国人もいるため、健康保険の制度などから説明する必要もあります。制度自体は共通のため、外国語で健康保険制度について説明している健康保険組合や市区町村のHPを外国人労働者に案内する方法もあります。
 例えば、イスラム教では、成人女性が夫以外の男性に肌を見せることは宗教上許されないため、女性医師を強く希望する患者もいます。よって、このような場合、女性医師を探す等の配慮も必要となります。
 そのほか、緊急時のために消防庁のHPから「救急車利用ガイド」の外国語版をダウンロードし外国人労働者に配付しておくとよいでしょう。
 →救急お役立ちポータルサイト(総務省消防庁)
https://www.fdma.go.jp/publication/portal/post1.html

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年5日以上年次有給休暇について2

● 4月からの年次有給休暇の年5日以上取得について、さらに皆様から多くの質問をいただきました。厚生労働省のQ&Aを参考に、質問をまとめてみました。

Q   今回の法改正を契機に、法定休日ではない所定休日を労働日に変更し、該当労働日について、会社が年次有給休暇として時季指定(「時季」は法律にある言葉です)することはできますか?(Q&A 3-17)

A   質問のような手法は、実質的に年次有給休暇の取得の促進につながっておらず、望ましくないものです。また、会社が独自に設けている特別休暇を、今回の改正を契機に廃止し、年次有給休暇に振り替えることは法改正の趣旨に沿わないものであるとしています。(Q&A 3-12)

Q   年次有給休暇の取得を労働者本人が希望せず、会社が時季指定を行っても休むことを拒否した場合には、会社の責任はどこまで問われるのでしょうか?(Q&A 3-21)

A   会社が時季指定したにもかかわらず、労働者がこれに従わず、自らの判断で出勤し、会社がそのまま働かせた場合は、年次有給休暇取得したことにならないため、法違反を問われることになります。ただし、労働基準監督署は原則としてその是正に向けて丁寧に指導するとしています。

Q   派遣労働者については、派遣元・派遣先のどちらで年次有給休暇の時季指定や有給休暇の管理簿の作成を行えばよいでしょうか?(Q&A 3-29)

A   派遣労働者については、派遣元で年次有給休暇の時季指定や管理簿の作成を行います。

Q   年次有給管理簿はどのような書式で、どのようなことを記載しなければなりませんか?また、何年間保管しなければなりませんか?

【年次有給管理簿の書式例(書式は問いません)】

年次有給休暇取得日数 基準日 2019/4/1
取得日数 18日 ※(付与した日数)

年次有給休暇を

取得した日付

4/4(木) 5/7(火) 6/3(月)     












A   年次有給休暇管理簿には、労働者ごとに年次有給休暇を付与した「基準日」(年次有給休暇を付与した日)、「日数」(基準日から1年以内の期間における年休取得日数)、「時季」(年次有給休暇を取得した日付)を記載します。当該年休を与えた期間中と当該期間の満了後3年間保存しなければなりません。

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外国人労働者が脱退一時金を受給する際の留意点 

Q   外国人労働者が脱退一時金を受給する際の留意点を教えてください。

A   ①脱退一時金の計算の基礎となった期間は日本の年金加入期間ではなくなること、②技能実習2号修了後の脱退一時金の請求のタイミング、の2点について留意が必要です。

  1. 脱退一時金とは
     脱退一時金とは、日本の年金制度の加入期間が6ヵ月以上ある外国人で、老齢年金の受給資格期間を満たさない人が日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求を行った場合、保険料を納めた期間または加入期間に応じて支給されるものです。なお、年金の受給資格期間が10年以上ある場合は、将来的に日本の老齢年金を受け取ることができるため、脱退一時金の請求はできません。脱退一時金の制度の詳細や計算方法等については、日本年金機構のHPで確認できます。また、脱退一時金請求書は、英語/中国語/韓国語/ポルトガル語/スペイン語/インドネシア語/フィリピノ語/タイ語/ベトナム語/ミャンマー語/カンボジア語に対応しています。
  2. 脱退一時金についての留意事項
     脱退一時金は、外国人の保険料の掛け捨てを防止するための制度です。会社は、退職して帰国する外国人労働者に対して制度の案内が必要ですが、下記2点については特に留意が必要です。
    ① 脱退一時金の計算の基礎となった期間の取扱い 脱退一時金を受け取った場合、脱退一時金の計算の基礎となった期間は日本の年金制度に加入していた期間ではなくなります。ですので、将来的にまた日本で生活する予定がある場合や、社会保障協定の年金通算制度により母国の年金加入期間と通算できる場合などは、脱退一時金を請求しないで、日本の老齢年金の受給権が得られる可能性を残しておいたほうがよいこともあります。このことは、外国人労働者に明確に説明しておく必要があるでしょう。そのうえで脱退一時金を請求するか、日本の年金加入期間を残しておくかは、外国人労働者本人に選択してもらうことになります。
    ② 技能実習生の場合 2017年11月からの新しい技能実習制度では、技能実習生は最大5年間日本で技能実習を受けることが可能となっています。この間、技能実習生は日本の年金制度に加入します。

技能実習1号
1年
技能実習2号
2年
技能実習3号
3年
 技能実習2号の修了後、技能実習3号を開始するまでの間に、技能実習生は必ず1ヵ月以上の一時帰国をしなければなりません。この際、本人の希望により、技能実習2号修了後および技能実習3号修了後の2回、脱退一時金を請求できます。ただし、技能実習2号修了後の脱退一時金請求書を日本年金機構が受理する前に再入国し、住所を有するに至った場合には受給要件を満たさなくなるので注意が必要です。

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年5日以上年次有給休暇の取得について 「よくある質問」

● 4月からの年次有給休暇の年5日以上の確実な取得について、読者の皆様の関心が相当高いと思われますので、疑問に思われる点について「よくある質問」としてまとめてみました。

Q   パート労働者も対象となりますか?

A   対象となるのは、「有給休暇の日数が10日以上である労働者」とありますので、比例付与対象で下の表の〔太い文字の部分となる〕パート労働者も対象となります。

週の所定労働日数1年間の
所定労働日数
勤続年数
6か月

1年

6か月

2年

6か月

3年

6か月

4年

6か月

5年

6か月

6年6か月以上

5日217日~251日
10111214161820
4日169日~216日
78910121315
3日121日~168日
566791011
2日73日~120日
3445667
1日48日~ 72日
1222333

Q   半日単位で取得した年次有給休暇も「5日取得の日」の対象になりますか?

A   労働者が半日単位で年次有給休暇を取得した数の分については、「0.5日」として含まれます。 

Q   会社が独自に考えている特別休暇の日も「5日取得の日」の対象になりますか?

A   法定の年次有給休暇とは別に設けられた特別休暇は、含まれません。

Q   今回法改正の時季指定について、就業規則に記載する必要はありますか?

A   休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であるため、時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者範囲及び時季指定の方法等について記載する必要があります。以下例文です。

○項 年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対しては、付与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有給休暇のうち5日について、会社が労働者の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。

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年休付与義務と年休管理簿の作成保存義務

Q   労基法の改正で、使用者に年休給付義務が生じるそうですが、①どのような内容なのでしょうか。また、②年休管理簿を作成することが義務付けられるようですが、どのようなものなのでしょうか。また、③年休管理簿を作成しない場合には罰則等はあるのでしょうか。逆に、年休管理簿を作成することによるデメリットはあるのでしょうか。

A   ①10日以上の年休が付与されている労働者に対し、そのうち5日について、基準日(継続勤務した期間を6ヵ月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日)から1年以内に時季を指定して与える義務が定められました。

②各労働者の年休の取得状況を把握するために、時季、日数および基準日を明らかにした書面の作成が求められます。
③罰則はありません。また、年休管理簿を作成することによるデメリットは特にないと考えます。

  1. 使用者による年休付与義務
    年次有給休暇の取得率が低迷していることを踏まえ、年5日以上の年次有給休暇の取得が確実に進むようにするため、改正されたものです。なお、この制度は、平成31年4月1日に施行されます。
    新労基法において、年次有給休暇の付与日数が10日以上である労働者に対し、年次有給休暇のうち5日については、基準日(継続勤務した期間6ヵ月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日)から1年以内の期間に労働者ごとにその時季を指定する方法で与えなければなりません(新労基法39条7項本文)。例えば、年休権が発生していない者や、年休が比例付与される労働者の一部の者については、年休付与義務の対象となりませんが、ほとんどの労働者は10日以上の年休が発生するのですから、5日以上の年休を付与するようにしなければなりません。これに違反した場合には、30万円以下の罰金が予定されています(新労基法120条1号)。なお、労働者が時季指定した場合や計画的付与がなされた場合、あるいはその両方が付与された場合には、それらの日数分(5日を超える場合には5日)については、時季を定めることにより付与する必要はありません(新労基法39条8項)。
  2. 年休管理簿の作成保存義務
    次に年休管理簿についてですが、使用者は①労働者による時季指定、②計画的付与、③使用者による時季指定の方式で年休を付与したときは、労働者ごとに、時季、日数および基準日を明らかにした年休管理簿を作成し、有給休暇を与えた期間中および当該期間の満了後3年間保存しなければならないこととされました(労基則24条の7)。なお、年休管理簿、労働者名簿または賃金台帳をあわせて調製することができます(労基則55条の2)。年休管理簿を作成しなかった場合ですが、通達(平成30年9月7日基発0907第1号)では、労基法109条の「重要な書類」に該当しないとされており、罰則はないものと解されます。

管理職も労働時間管理が必要!

Q   働き方改革関連法の「労働時間の把握義務」とは、何ですか。今までもあったと思いますが、何が違うのでしょうか?

A   今回の働き方改革関連法のなかに、平成31年4月1日から労働安全衛生法の改正で行われる「労働時間の把握義務」があります。今までは、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の冒頭に「労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有している。」と明記されています。『すなわち、法律に把握義務が明確に書かれているわけではないけれど、把握しないと割増賃金などをきちんと払えないはずなので、適切に管理してくださいね。』と説明していました。つまり、適用される範囲は、労働基準法第41条に定める管理監督者などは、このガイドラインの対象外としていました。
 今回は、労働安全衛生法に定められています。つまり、労働安全衛生法は、あくまでも健康管理が主眼であるため、労働基準法のような対象外ではなく「すべての労働者を対象」としているところが留意すべき点です。「管理職は労働時間管理をしていないといった運用」が見受けられることがありますが、深夜労働を除いて労働基準法の世界なら許されるところです。しかし、働き方改革関連法の施行後は、労働安全衛生法の健康管理という側面での要請から管理職は労働時間管理をしていない運用が許されなくなります。労働時間の状況を客観的に把握することで、長時間働いた労働者に対する、医師による面接指導を確実に実施することとなります。全ての事業場が対象となります。

◆医師による面接指導を行わなければならない人は、次のとおりです。

(1)労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え、疲労の蓄積が認められる労働者(申出を受けて実施)
  【面接指導を実施する法的義務あり】
(2)長時間の労働(週40時間を超える労働が1月あたり80時間を超えた場合)により疲労の蓄積が認められ又は健康上の不安を有している労働者(申出を受けて実施)
  【面接指導又は面接指導に準ずる措置を講じる努力義務あり】
(3)その他事業場(会社)で定める基準に該当する労働者(事業場(会社)の規定により実施)

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両立支援等助成金について

Q   昨年、当社は女性労働者の育児休業に伴い、助成金を申請しましたが、男性労働者が育児休業を取得した場合も助成金を申請できるのでしょうか?

A   はい、男性労働者が育児休業を取得したときは、「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)」を申請できます。

    1 本助成金の概要と助成金額
    男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取組みを行い、男性労働者が子の出生後8週間(出生時を含む57日)以内に連続5日以上の育児休業を取得すると、本助成金を受給できます。ただし、育児休業を分割して取得した場合は助成金の支給対象になりません。

    (中小企業)

    1人目の育休取得57万円(72万円)
    2人目以降の育休取得a 育休5日以上 : 14.25万円(18万円)
    b 育休14日以上 : 23.75万円(30万円)
    c 育休1ヵ月以上 : 33.25万円(42万円)

    ※( )内は生産性要件を満たした場合
    ①は初めて育休取得したときの金額です。②は2人目以降育休取得したときの金額で1企業当たり1年度10人(支給初年度のみ9人)まで申請できます。すでに育児休業を取得した男性労働者がいる場合でも連続5日以上の育児休業取得でないときは①の助成金額になります。

    2 育休取得前に実施する取組み
    男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りのため、男性労働者の育児休業開始日の前日までに次のような取組みを行っていることが必要です。
    1.男性労働者を対象にした「育児休業制度」の利用を促進するための資料等の作成・周知
    2.管理職による、子を出生した男性労働者に対する育児休業取得の勧奨
    3.男性労働者の育児休業取得について管理職向けの研修の実施 など

    3 助成金申請の3つの注意点
    1.育児休業を取得する連続5日間がすべて所定労働日でない場合は法律上の育児休業に該当しないため、助成金の対象になりません。
    2.本助成金は育児・介護休業法に基づく育児休業の取得が必要なので、年次有給休暇を取得して育児休業とすることはできません。
    3.育児休業規程で育児休業を有給とすることは可能ですが、男性のみを対象とすることはできません。

    4 平成30年度の変更点
    1.2人目以降の育休取得については、育児休業取得期間に応じて助成金が3種類に増えています。
    2.育児目的休暇の導入・利用の新設
    「育児目的休暇」助成金は、子の出産前後に育児や配偶者の出産支援のために取得できる休暇制度を新たに会社が導入し、男性労働者が子の出生前6週間または出生後8週間以内に合計して5日以上、所定労働日に休暇を取得すると受給できます。育児目的休暇は会社の休日に取得することはできません。助成金額は、28.5万円(生産性要件36万円)となります。「育児休業」助成金とは、別に申請できます。

    申請対応窓口:管轄雇用・環境均等部(室)

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      年次有給休暇の時季指定義務 ~年に5日必ず取得~

      Q   来年4月から年次有給休暇取得の制度が変わるそうですね。概要を教えてください。また今から準備しておくことはありますか。

      A   年次有給休暇は、原則として、労働者が請求する時季に与えることとされていますが、職場への配慮やためらい等の理由から取得率が低調な現状にあり、厚生労働省は、2020年までに取得率を70%にすることを目標としており年次有給休暇の取得促進が課題となっています。ちなみに、平成28年1年間に企業が付与した年次有給休暇は労働者1人平均18.2日、そのうち労働者が取得した日数は9.0日で、取得率は49.4%となっています。

       このため、今般、労働基準法が改正され、2019(平成31)年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、会社が時季を指定して取得させることが必要となりました。 【↓厚生労働省パンフレットより抜粋】

        年次有給休暇の時季指定義務 ~年に5日必ず取得~

         対象は、年次有給休暇の日数が10日以上の労働者(パートも対象)で、付与日から1年以内の期間に与えなければなりません。もちろん、労働者が5日以上取得されている会社は特に措置をとらなくてもよいですが、1人5日取れていない場合の具体的な方法としては、次の通りです。
        ①一斉に休むことができる業種(工場など)では、年間カレンダー作成時に決めておく必要があります。また、その場合、計画的付与の協定書を用意しておかないといけません。
        ②会社で一斉に休むことができない業種(介護、飲食等)は、個人別又は、グループ別に時季を指定して取得すると考えられます。
        ちなみに、5日取得できない社員がいた場合、罰金30万円です。(1社または1人かは今のところ不明)
        また、年次有給休暇の管理簿も作成し3年間保存となりました。


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          「帰宅にあたっての雑居ビル内での負傷」と「経路逸脱を予定して会社を出た場合の通常経路上の負傷」について

          Q   当社は雑居ビルに入居しています。先日、従業員が就業時間終了後、同僚らと食事をして帰るため、1階の玄関口で待ち合わせていたところ、1階フロアーの段差で足を踏み外して転倒し、ケガをしてしまいました。この場合①労災請求において業務災害、通勤災害のどちらの対象となりうるのでしょうか。また、②帰宅途中に食事をする予定であったのですが、会社を出てから最寄駅に向かう途中での災害であった場合、労災の判断に影響するのでしょうか。

          A   ①帰宅する途中の、雑居ビル内1階フロアーにおける災害は事業主の施設管理下にあるものと認められるので、「業務災害」として取り扱われます。また、②たとえ帰宅途中に通勤経路の逸脱を予定していたとしても、いまだ通常の通勤経路上にある限りは通勤と認められます。


          1 
          ご質問のケース①

           労災保険法7条2項1号の「就業の場所」とは、業務を開始し、または終了する場所をいい、原則として門をもって境界としており、一般的には、事業主の支配管理権が及ぶ会社施設と一致することとなります。雑居ビルの共用部分(玄関、廊下、階段等)は、当該雑居ビル所有者と入居会社の各事業主等が当該共有部分を共同管理しているものと考えるのが妥当であって、ビル1階フロアーは事業主の管理下(就業の場所)であるということになります。以上のような考え方から、ご質問のケースにおける通勤の始・終点は、当該ビルの玄関ドアとなりますので、「住居と就業の場所との間」の災害には該当せず、業務災害として取り扱われることになります。

          ご質問のケース②
           通勤災害とは、労災保険法7条2項および3項で「(第2項)労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとする」「(第3項)労働者が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、通勤としない」とありますが、たとえ帰宅途中に帰路を逸脱して食事をする予定であったとしても、いまだに通常の通勤帰路上にある限りにおいては、労災保険法7条2項の通勤と認められます。

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            働き方改革関連法はいつから影響しますか?

            Q   働き方改革関連法は、いつから影響しますか?すぐに、対策をたてないといけないことはありますか?

            A   働き方改革関連法を施行日順に並べてみました。来年の4月から施行されます。中小企業ですぐに対策を立てないといけないのは、「労働時間の把握義務」と「年次有給休暇の時季指定付与義務」です。

              施行日 主な改正項目 法律名
              2019年4月1日 時間外労働の上限規制(大企業) 労働基準法
              高度プロフェッショナル労働制の導入
              年次有給休暇の時季指定付与義務
              フレックスタイム制の要件緩和
              産業医、産業保健機能の強化 労働安全衛生法
              労働時間の把握義務
              勤務時間インターバル制度の普及促進(努力義務) 労働時間設定改善
              特別措置法
              2020年4月1日 時間外労働の上限規制(中小企業) 労働基準法
              派遣労働者の均等・均衡待遇規定等の整備 労働者派遣法
              同一労働同一賃金(大企業) パート労働法
              労働契約法
              2021年4月1日 同一労働同一賃金(中小企業) パート労働法
              労働契約法
              2023年4月1日 中小企業に対する割増賃金率の猶予措置の廃止 労働基準法
              2024年4月1日 時間外労働の上限規制の猶予措置廃止
              (建設業、自動車運転業務、医師等)
              労働基準法

               働き方改革関連法がついに可決・成立しました。
               今回の改正は、長時間労働の是正(時間外労働の上限規制等)や同一労働同一賃金の実現、これまでの仕事や賃金のあり方を一変させる非常に大きなものです。
               この労働大転換期をどう乗り切り、自社の「働き方改革」を実現していくかで、今後の企業経営も大きく変わってくるといえましょう。

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                雇用保険 育児休業給付の支給申請手続(入社後間もなく妊娠したケース)

                Q   入社2カ月の従業員から、妊娠したことを報告されました。それと同時に、つわりがひどくなり、妊娠報告以降はほとんど出勤していません。本人は、育児休業を取得して、育児休業給付の受給を考えているようですが、このまま出勤できない状況が続いた場合でも、育児休業給付の受給は可能なのでしょうか?

                A   育児休業給付の受給が可能となる場合があります。上記のケースでは、勤務実態として、出勤していない期間が多くあるようですので、現在在籍している会社だけで被保険者期間の条件を満たすことは困難かもしれません。その場合は、前職の被保険者期間と合わせて確認することで、受給の可否が決定されます。


                1 育児休業給付受給の基本的要件

                育児休業給付を受給するためには、育児休業を開始した日から遡って2年間にみなし被保険者期間が12ヵ月以上必要となります。
                なお、育児休業を開始した日から遡って2年間にみなし被保険者期間が12ヵ月ない場合であっても、当該期間中の第1子の育児休業や本人に疾病があるなどの場合には、受給要件が緩和されることがあります。

                2 みなし被保険者期間が足りない場合
                前職における雇用保険の資格喪失後1年以内に、基本手当を受給することなく現在の会社で資格取得した場合は、前職のみなし被保険者期間を合わせて、育児休業開始日から2年間に遡って賃金支払基礎日数をカウントできます。なお、前職のみなし被保険者期間を合わせて受給資格の確認を受ける場合の手続きでは、通常の添付書類の賃金台帳、タイムカードなど育児休業を開始した日およびその日前の賃金の額を証明することができる書類、母子手帳など育児の事実が確認できる書類、個人番号および身元確認に関する書類などの他、前職を退職した際に発行された離職票をハローワークへ提出します。

                3 安易な判断はトラブルの元
                妊娠による体調不良等で出勤できない従業員に対する解雇や雇止めは、男女雇用機会均等法9条3項、同施行規則2条2項に定める妊娠を契機とした不利益取扱いにあたる可能性があります。
                入社間もない妊娠で、かつ体調不良によりほとんど出勤できていないケースであっても、会社としては、安易に育児休業給付は受給できないと判断するのではなく、前職を離職した際の雇用保険の受給状況などを聴取しながら、受給の可否を判断してください。本来受給できるはずだった給付金が受給できなかったとなれば、大きなトラブルに発展する可能性もあり得ますので、注意が必要です。

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                  外国人技能実習生の受け入れについて

                  Q   外国人技能実習生を受け入れていますが、労働基準監督署から是正勧告を受け入れると引き続き受け入れができないのでしょうか?

                  A   国内の深刻な人手不足の影響もあり、外国人技能実習生を受け入れている会社が多くなってきています。それに伴い、賃金未払い等の悪質なトラブルも多く報道されています。しかしながら、賃金未払い等の悪質でなくても労働基準監督署から是正勧告を受けると、法務省と厚生労働省の相互通報制度により、その件について、入国管理局に報告されます。今後の受入れに支障がある場合もあります。是正勧告を受けた事項で、多い項目は次の通りです。


                  1. 36協定(時間外・休日労働協定)の届出をしていない、又は特別条項の届出をしていても限度時間や限度回数を超えて残業させている
                  2. 定期健康診断を行っていない
                  3. 最低賃金を支払っていない
                  4. 割増賃金(法定時間外:1.25、法定休日:1.35、深夜:0.25)を適正に支払っていない
                  5. 賃金台帳に労働日数や労働時間が記載されていないなどの不備がある
                  6. タイムカード・出勤簿等がない、又はあっても始業・終業の時刻の記載がないなどの不備がある
                  7. 労働者名簿が作成されていないなどの不備がある
                  8. 賃金控除協定を締結しないで、家賃・水道光熱費・通信費などを控除している
                  9. リフトやクレーンなど技能講習の受講や免許が必要な機械を操作させている
                  10. 1週間に1回又は4週間に4回の法定休日をとらせていない
                    以上の項目は、外国人技能実習生を受け入れるから特にすることではなく、当然にしていないといけないことばかりです。
                     技能実習制度の趣旨は、「開発途上地域への技能等の移転による国際協力の推進」ですが、技能実習生が、労働力不足を補っている会社が多いように感じます。法違反により、通報されて継続して受け入れできないことは痛手です。また、上記のようなことが守られていない会社には、日本人の定着がよくないことも想像できます。自社は、守られているか、チェックしてみましょう!

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                      同月得喪の社会保険料について

                      Q   4月1日に入社して、2週間で退職してしまった元社員から、「国民健康保険と国民年金の手続き時に、4月分から保険料を納めてください、と言われました。 給与明細を見ると健康保険料、厚生年金保険料が控除されています。二重に納めることになりませんか」との問合せがありました。どのように対応したらよいでしょうか。

                      A   ご質問の ケースでは、会社は厚生年金保険料の還付を受けることができます。元社員の方に対しては、「後日、控除した厚生年金保険料をお返しします」とお伝えください。なお、健康保険料については、こうした取扱いがないため、返金はありません。


                      1. 社会保険料納付の原則
                        「月の途中で入社した場合、日割り計算ですか」との質問を受けますが、健康保険料(介護保険料含む。以下同じ)、厚生年金保険料は、月を単位に計算します。資格を取得した日(入社日)の属する月から、資格を喪失した日(退職日の翌日)が属する月の前月まで保険料を納付します。月の途中で退職した場合はその前月まで、また末日までで退職した場合は、資格喪失日が翌月1日となりますので、退職した月までの保険料を納付します。ただし、入社した月と退職した月が同じ場合(同月得喪)では、1ヵ月分の保険料を納付しなければなりません。
                      2. 同月得喪の厚生年金保険料
                        ご質問のような同月得喪の場合、従来は厚生年金保険料、国民年金保険料をそれぞれ納付していましたが、平成27年10月以降、国民年金保険料のみ、納付することとなりました。20歳以上60歳未満は、国民年金の強制加入者のため、再就職して厚生年金の資格を取得しない限り、国民年金に加入することになります。
                        退職者が厚生年金、または国民年金に加入した場合、日本年金機構より「同月中に被保険者資格を取得・喪失された被保険者に関するお知らせ」という文書が届きます。還付手続を行うことで、厚生年金保険料は、会社負担分、自己負担分を合わせて会社へ還付または保険料納付時に調整されます。この場合、退職者へは会社から返金しなければなりません。
                      3. 同月得喪の健康保険料
                        協会けんぽのホームぺージに「資格を喪失した月の保険料を納付していましたが、還付されますか?」というQ&Aが記載されています。過誤納付については、還付請求できますが、「資格を取得した日と資格を喪失した日が同月の場合は、その月分の保険料が必要となりますので、保険料の還付はありません」と記載されています。同月中に再就職して協会けんぽに加入しても、再就職先にて健康保険料を控除されることになります。
                      4. 同月得喪の実務上の取扱い
                        厚生年金保険料を後日返金するなら、控除しない、という処理もありますが、あまりお薦めしません。理由は、健康保険料は必ず控除しなければならないこと。翌月に退職者の保険料を納めなければならないこと。また、退職者が海外へ移住する、国民年金への切替え手続きを行わないなど、還付されない、還付が遅くなることがあり得ます。こうしたことから、実務上はいったん保険料を控除して、還付を受けた後に返金する流れが一般的です。とはいえ、会社の会計処理や事務処理上の手間暇を考え、ご判断ください。

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                      マイナンバーの取扱いによる雇用保険・社会保険の変更

                      Q   雇用保険、社会保険(健康保険・厚生年金保険)でのマイナンバーの取扱いがいよいよ本格化するようですが、手続きはどのように変わりますか?

                      A   雇用保険は、従来からマイナンバーを記入する欄がありましたが、厳格な取扱いとなり、社会保険では、3月5日に書式の変更が行われ、マイナンバー記載欄が設けられて本格的に運用いたします。


                      1. 雇用保険の手続きの際には必ずマイナンバーが必要です。
                        雇用保険の資格取得届、資格喪失届、介護休業給付では、届出にマイナンバーの記載が必要となります。また、高年齢雇用継続給付金、育児休業給付金支給申請では、初回申請時に記載が必要となります。
                        平成30年5月以降の届出は、記載していないと返戻されてしまいます。
                      2. 社会保険では、マイナンバーと基礎年金番号のどちらでも利用することができます。
                        社会保険では、資格取得の手続きでは、従来どおり、基礎年金番号でも手続きができます。また、基礎年金番号がわからなくてもマイナンバーで手続きができるようになります。
                      3. 氏名変更届・住所変更の届出は省略となりました。
                        基礎年金番号とマイナンバーが紐付けされたことにより、従業員の方の氏名変更・住所変更は地方公共団体情報システム機構が保有している情報の提供を受け、日本年金機構で変更します。(届出不要)
                      4. 健康保険証は、協会けんぽから送られてきます。
                        氏名変更情報が確認できた場合は、協会けんぽから新氏名が記載された健康保険証が自動作成され、毎月下旬頃に送られてきます。会社で今までの保険証と交換し、日本年金機構まで返送してください。
                      5. 家族(被扶養者)及び70歳以上の被保険者の氏名変更の届出は必要です。
                        家族(被扶養者)の氏名変更の届出省略は行われないため、これまでどおり、被扶養者異動届により、氏名変更の手続きが必要です。また、70歳以上の被保険者についても、氏名変更の届出省略は行われないため、これまでどおり、氏名変更届により、氏名変更の手続きが必要です。

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                      副業の容認と企業の安全配慮義務

                      Q   昨今、長時間労働等による労災等が報道されていることを踏まえ、当社では、社員の残業を原則として認めない運用をしております。その結果、社員から賃金の減収になっているので、副業を認めて欲しいとの要望がなされることが多くなりました。当社の就業規則では副業は原則として禁止しているのですが、社員が所定時間外や休日に副業をしても当社への労務提供に支障がない場合等には副業を例外的に認めています。ただ、副業を認めてしまうと結果的に長時間労働となってしまうのではないかと懸念されるとともに、万が一、副業によって社員の健康が害された場合に当社に責任が生じてしまうのでしょうか?

                      A   社員が副業先で何時間就労するかについては当該社員の自己決定の問題であり、貴社がコントロールをすることができる事項ではないと解されます。そして、副業によって社員の健康が害された場合であっても、副業先での労働時間が労基法上通算されるとはいえ、安全配慮義務違反については原則として認められないと解することが適当と考えます。
                       <副業についての行政の動向>

                        副業について、行政として、①厚生労働省で示しているモデル就業規則の規定を、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩が  生じ場合等以外は副業・兼業を認める内容に改めること②労働者と企業それぞれの留意点とその対応方法を示すこと③労働者が副業・兼業を実現している好事例を周知していくことが必要であるとの報告を出しています。このような状況からすると、今後、副業を申請してくる社員は増加してくるものと思われます。
                       <労働時間の通算について>
                        本業と副業のように事業主が異なる場合に労基法38条1項(「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間にする規定の適用については通算する。」)が適用されるかについて、厚生労働省は、事業場を異にする場合には事業主を異にする場合を含むとの解釈を示すとともに、通算された結果、割増賃金を支払わなければならない使用者については「通常は、当該労働者と時間的に後で労働契約を締結した事業主と解すべきであろう。けだし、後で契約を締結した事業主は、契約の締結に当たって、その労働者が他の事業場で労働していることを確認したうえ契約を締結すべきであるからである。」とされています。

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                      新入社員がスグに辞める理由

                      Q   最近、人が不足し採用しましたがスグに辞めてしまいました。なぜでしょうか?やはり、最近の若者は根性や我慢が足りないのでしょうか。今どきの若い子の考えていることがわかりません。

                      A   今は、求人を出してもなかなか応募もありません、採用までこぎつけるのはかなり大変です。苦労をしてやっと採用したのに辞められてしまってはたまりません。

                      本音の退職理由ランキングによりますと、第1位は人間関係(43%)、第2位は社風や風土、拘束時間(20%)、第3位は賃金、評価・人事制度(16%)です。第1位の人間関係にショックを受けますね。
                      スグに辞めてしまう原因の多くは次のいずれかにあてはまります。対策を考えて見ましょう。


                      1、採用をゴールにし、入社後の教育について考えていない ⇒教育について考えましょう。
                      2、入社前と入社後にギャップを感じる(求人内容と実際の雇用条件の差がある)
                      ・各種手当があるといわれたのに ・年間休日がでたらめ ・時間外労働が多い→会社への不信感

                      ⇒会社の「ありのまま」を話して、ミスマッチをなくしましょう。

                      3、自分の成長が見込めないから辞める(昇進するイメージができない)

                      ⇒社員に成長を期待する人事制度の整備が必要かもしれません。

                      4.会社との信頼関係がないから辞める(コミュニケーション不足)

                      信頼関係の構築方法としては、今は「飲みにケーション」では解決できません。お酒が苦手、イベントが苦手、仕事とプライベートと分けて考えたい人が多くいます。

                      ⇒価値観の多様化 →お酒を交えない信頼関係を構築しましょう。

                      5.自分は必要とされていないから辞める(入社してもやることがない、丁寧に教えてくれない、ほうっておかれる)⇒教育プログラムを作って、常に気にかけてあげましょう。

                        

                        誰でも「認められたい」欲求があります。①自分自身の「存在」を認めてほしい②自分が行った「行動」を認めて欲しい自分がやった「成果」を認めて欲しい。管理職にある人間は、部下の離職を防ぐためのマネジメントをしっかりやる必要があります。

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                      事業場内のインフルエンザ対策

                      Q   昨年、事業場内でインフルエンザが流行しました。どのような対策に取り組んでおけばよかったのでしょうか。 

                      A   インフルエンザワクチンの接種は発症率の低下や重症化予防に有効です。しかしながら、ワクチンを接種していても発症することもあります。そのため、健康教育としてのインフルエンザ予防策の周知や、感染拡大予防を目的とした就業措置の検討などをしておくとよいでしょう。

                       労働契約法5条(労働者の安全への配慮)において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定められています。労働者がインフルエンザを含めた感染症にかからないよう使用者が配慮することは、事業場内での感染拡大防止といった安全配慮にとどまらず、結果として安定した労働力の確保や事業の継続にも繋がっていきます。では、具体的にどのような対策が必要となるでしょうか。

                       1 事業場内でのインフルエンザ予防策
                         ①インフルエンザワクチンの接種推奨

                         ワクチン接種は、副反応のリスクもあるため、使用者として労働者に接種を強要することはできませんが、発症率の低下や発症時の重症化予防には有効です。また、健康保険組合によっては接種費用補助を行っているところもありますので、確認してみるとよいでしょう。

                       ②事業場内でのインフルエンザ対策の情報共有・教育

                         特に冬場は気温や湿度の低下によりウイルスや細菌が増殖しやすくなり、また寒さによる身体の抵抗力が低下するなど、感染症にかかりやすい時期でもあります。事業場内の温度・湿度管理について、「室温17度以上28度以下、および相対湿度(湿度計の値)が40%以上70%以下(事務所衛生基準規則5条3項)」といった定めもあり、実はこれを遵守することは冬場の感染症対策において効果的です。また、乾燥する冬場の湿度管理には加湿器がよく使用されますが、加湿器により壁面や書籍などにカビ(真菌)が発生することもあるため、設置にあたっては壁面や周囲から距離を保ち、空気の流れがある場所に置くなど工夫するとなおよいでしょう。加湿器の本体内のカビや細菌対策として、フィルター掃除や貯水したままにしないなどの工夫が必要です。その他、手洗いや咳エチケットなどの労働者に対する教育を定期的に行うことで、個々人の健康に対する意識を高めるとよいでしょう。

                      2 就業措置の検討

                         事業場内での感染拡大を防止するには、感染した労働者の出勤停止を考慮する必要があります。学校においては、ウイルス排出の可能性がある期間を考慮し、「インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)にあっては、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで(学校保健安全法施行規則19条2項イ)」と出席停止期間が設けられています。一方、労働者については、出勤停止を命じる細かな定めはありませんが、事業場内での感染拡大を防ぐためには、学校保健安全法施行規則にならい、同期間出勤停止とすることが望ましいと考えられます。また、こうした対応については、可能であれば労使合意のもと、就業規則等において定めておくとよいでしょう。なお、新型インフルエンザは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律18条2項に基づき厚生労働省令で就業を規制することができます。ただし、実際に就業制限をかける際には、労働安全衛生規則61条2項に基づき、あらかじめ産業医やその他専門の医師の意見を聞くことが求められており、注意が必要です。

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                      同一労働同一賃金の時代がやってくる⑤

                      Q   「同一労働同一賃金」は、「非正規という言葉をなくす」ということで取り組んでいますが、会社として取り組む意義や取り組まなければならない理由はありますか? 

                      A   最近話題の「同一労働同一賃金」をテーマにしてきました。皆様から「正社員とパート社員と同じ処遇にしなければなりませんか」と多くの質問をいただきました。私見ですが、「生産年齢人口(15歳~64歳)が想定を上回るペースで減少」して、「労働力不足」となるから対応しなければならないと考えます。人が採用できないなどの「労働力不足」は、感じられていると思います。「労働力不足」の解消には3つの対応策が考えられます。


                      ① 働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)
                      ② 出生率を上げて将来の働き手を増やす
                      ③ 労働生産性を上げる(機械・ロボットの導入、AIなどを含む)

                        

                      「労働力不足」を解消するには、次の事項を問題点として厚生労働省は、取り組んでいます。

                      ①長時間労働者の是正

                       ・長時間労働を拒否すると、有期契約社員やパートとして働くことを余儀なくされる。

                       ・長時間労働を望まれる年齢と、出産・育児年齢が重なるため「出生率」にも影響している。

                      ②正社員と非正規社員の格差是正

                       ・非正規社員の賃金を、正社員に対して6割という現状から、欧米並みの8割まで引き上げる。

                       ・最低賃金の引き上げも、これまでの取り組みを継続し、最低賃金1,000円を目指す。

                       →出産・育児・介護による女性の働き方の制限をなくす。つまり、ライフステージにあわせた働き方(多様な働き方)を選べるようにし、働きやすい社会の実現を目指す。

                      ③高齢者の就労促進

                       ・高齢者の約7割が「65歳を超えても働きたい」と考えているが実際は2割ほどにとどまる。 

                        つまり、最近の厚生労働省の施策は、将来のさらなる労働力不足への対応です。即座に対応することは難しい課題ですが、「社員の定着促進」「採用」については、避けては通ることはできません。

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                      2017年12月 キャリアップ助成金(正社員化コース)

                      Q  社では優秀な人材が流出してしまうことを防ぐために、現状、有期雇用契約で雇用している従業員を正社員にして雇用条件をよくしていこうと考えております。何か利用できる助成金はありますか

                      A  キャリアアップ助成金の正社員化コースが対象になる可能性があります


                      有期契約労働者等を就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づいて正規雇用労働者に転換、または派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合に助成されます。

                      下記(①~⑦)のすべてに該当する労働者が対象となります。


                      1. 次のいずれかに該当する労働者

                        (1)支給対象事業主に雇用される期間が6カ月以上の有期契約労働者または無期雇用労働者

                        (2)同一の業務について6カ月以上の期間継続して労働者派遣を受け入れている派遣先の事業所その他派遣就業場所において当該同一の業務に従事している派遣労働者

                        (3)支給対象事業主が実施した有期実習訓練を受講し終了した有期契約労働者

                      2. 正規雇用等として雇用することを約して雇い入れられていない労働者

                      3. 次のいずれかに該当しない労働者

                        (1)正規雇用労働者に転換または直接雇用される場合、過去3年間に当該事業主に正規雇用されたことがある者

                        (2)無期雇用労働者に転換または直接雇用される場合、過去3年間に当該事業主に正規雇用または無期雇用されたことがある者

                      4. 事業主または取締役の3親等内の親族以外の者

                      5. 転換日または直接雇用日の前日から16カ月前から転換日または直接雇用日の前日から6カ月前の期間、事業主と密接な関係にある事業主に雇用区分aまたはbのいずれかに雇用されていなかった者

                        a正規雇用労働者に転換または直接雇用される場合…正規雇用労働者として雇用

                        b無期雇用労働者に転換または直接雇用される場合…正規雇用労働者または無期雇用労働者

                      6. 短時間正社員に転換または直接雇用された場合は原則、所定労働時間または所定労働日数を超えて勤務していない者

                      7. 支給申請日に雇用区分が継続し離職していない者


                      ※有期契約労働者を無期雇用労働者に転換した場合は転換前の基本給より5%以上上昇させる必要があります。


                      受給額

                       

                      中小企業の場合の受給額

                      大企業の場合の受給額

                        有期⇒正規

                      57万円(72万円)

                      427500円(54万円)

                        有期⇒無期

                      285千円(36万円)

                      213750(27万円)

                        無期⇒正規

                      285千円(36万円)

                      213750(27万円)

                      (  )内は生産性の向上がみられる場合の受給額


                      手続きの流れ

                      ①キャリアップ計画の提出

                      ②6カ月以上雇用された有期契約労働者等を転換または直接雇用

                      ③転換または直接雇用した労働者に対して正規雇用労働者、無期雇用労働者としての賃金を支給した日の翌日から起算して2カ月以内に支給申請


                      ※転換または直接雇用日までに正社員への転換制度を就業規則等に規定する必要があります。





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                      2017年11月 同一労働同一賃金の時代がやってくる④

                      Q  先月、東京地裁では、日本郵便の契約社員が正社員と同じ仕事をしているのに、住居手当や有休の病気休暇がないことなどは、「不合理な労働条件の相違に当たる」と判断しました。「同一労働同一賃金」ガイドライン案によると、支払わないといけなくなるでしょうか。賞与も、でしょうか?

                      A  「同一労働同一賃金」ガイドライン案に住居手当については記載しておりません。しかし、判決内容では、「職責内容などの違い、差異つけるのは不合理」としており、ガイドライン案に同じように記載されている手当は、次の通りです。


                      1.精皆勤手当

                      無期雇用フルタイム労働者と業務内容が同一の有期雇用労働者又はパートタイム労働者には同一の支給をしなければならない。


                      2.業務の危険度に応じて支給される特殊作業手当

                        同一の危険度の業務に当たる場合は、同一の支給をしなければならない。


                      3.時間外労働・深夜・休日労働手当

                        同一の割増率等で支給しなければならない。

                      と、手当については、同一の要件に該当する場合は同一支給が求められると思います。
                      また、賞与は、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合として記載してあります。


                      賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。

                        

                       上記のように記載してあり、パートタイム労働者にも手当と同様に支給が求められています。

                       <問題となる例>として、次の事例があげてあります。


                      D社においては、無期雇用フルタイム労働者には職務内容貢献等に関わらず全員に賞与を支給しているが、有期雇用労労働者またはパートタイム労働者には支給していない。


                        

                       非正規の公務員にも賞与が支払われるようになり、今後の大きな課題です。

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                      2017年10月 「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」の判断方法

                      Q  パートタイム労働法でいう「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」とは、どのようなパートタイマーをいうのでしょうか

                      A  「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」とは、職務の内容と人材活用の仕組みや運用が、当該事業場の通常の労働者と同一であるパートタイマーをいいます。同一性の判断については手順があるので、それにのっとり判断します。

                      1通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止

                         パートタイム労働者であっても、その働き方が通常の労働者と同じ状態であれば、その待遇について同じように取り扱うべきであるとの考え方に基づき、パートタイム労働法9条は、通常の労働者と同じ就業実態にあるパートタイム労働者(これを法は「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」と呼びます)の賃金の決定方法をはじめ教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他のすべての待遇について、パートタイム労働者であることを理由として差別的に取り扱うことを禁止しています。


                      2通常の労働者と同視すべき短時間労働者とは

                         次の2要件をいずれも満たすものをいいます。

                      職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一であること。

                      人材活用の仕組みや運用等が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一であること。

                      以下、これらの2要件の判断方法を見てみましょう。


                      (1)「職務内容が同一」とは

                        「職務の内容」とは、「業務の内容および当該業務に伴う責任の程度」をいいます。

                         そして、職務の内容(「業務内容」+「責任の程度」)が「同一」であるとは、業務の内容が「実質的に同一」であって、責任の程度が「著しく異なっていない」ことをいいます。

                         職務内容の同一性の具体的な判断の手順は以下の通りです。

                      業務の種類が同一かを判断する。

                      中核的業務が実質的に同一かを判断する。

                      業務に伴う責任の程度が著しく異ならないかを判断する。

                        ①②を経て、③で責任の程度が著しく異ならないと判断された場合には、当該パートタイム労働者は、通常の労働者と職務内容が同一の短時間労働者に該当し、さらに、次に述べる人材活用の仕組みや運用等が同一との要件を満たしてはじめて、「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」に該当することになります。


                      (2)「人材活用の仕組みや運用等が同一」とは

                         人材活用の仕組み・運用が同一とは、職務の内容および配置が通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲内で変更されると見込まれることをいいます。

                         この具体的な判断の手順は以下の通りです。

                      転勤の有無を比較する。

                      転勤の範囲を比較する。

                      職務の内容の変更と配置の変更の有無を比較する。

                      職務の内容の変更と配置の変更の範囲を比較する。

                       これらの比較により、転勤の有無と範囲、さらに職務内容の変更と配置の変更の有無と範囲がともに同じと判断される場合が、「人材活用の仕組みや運用等が同一」との要件を満たすことになります

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                      2017年9月 同一労働同一賃金がやってくる③

                      Q  現在パート労働者には、通勤手当を支払っていません。「同一労働同一賃金」ガイドライン案によると、支払わないといけなくなるでしょうか

                      A  「同一労働同一賃金」ガイドライン案に通勤手当については次のように記載してあります。

                       

                      有期労働契約者又はパートタイム労働者にも、無期雇用フルタイム労働者(いわゆる正社員)と同一の支給をしなければならない。

                         

                      つまり、通勤手当については、同じ働き方をしているならば、同一の支給をしなければならなくなります。また、所定労働日数が違う場合については、月額の定期代でなくても1日単価で支給することについては問題とならない例として記載されています。

                       

                      <問題とならない例>

                      ・B社においては、所定労働日数が多い(週4日以上)無期雇用フルタイム労働者、有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、月額の定期代を支給するが、所定労働日数が少ない(週3日以下)又は出勤日数が変動する有期雇用労働者又はパートタイム労働者には日額の交通費を支給している。

                       

                       その他、「業務の危険度又は作業環境に応じて支給される特殊作業手当」「交替制勤務など勤務形態に応じて支給される特殊勤務手当」「精皆勤手当」「時間外労働手当」「深夜・休日労働手当」「勤務時間内に食事時間が挟まれている労働者に対する食費の負担補助としての食事手当」「出張旅費」「地域手当」は、同じ働き方をしているならば、同一の支給をしなければなりません。

                      正社員に支払っている給与で、基本給を高くすると、賞与が高くなってしまうからなどの理由で、支給基準がはっきりとしていない、「職務手当」「勤務手当」「特別手当」などの手当てがある会社があります。パートタイム労働者にも支払いますか?今のうちに手当の交通整理をしておいたほうがよさそうです。


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